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2012.12.28

私が見てきた2012年の展覧会から

白隠展追加します(12/29)
来年にしようかなと思っていたのですが、昨日見てきてとても良い展覧会だったので。
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Bunamuraザ・ミュージアムで2012年12月22日~2013年2月24日

白隠の人生、人柄、思想が禅画、墨跡を通してほの見えてきます。
とても気持ちの安らぐ展示空間も含めて、何時間でも居たい展覧会。


少々反則気味ですが、まず10の展覧会を選んで見ました。
順不同です、ランク付は出来ませんでした。

国立近代美術館60周年記念特別展 「美術にぶるっ」展
2012年10月1日~2013年2月24日まで。
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新装開店、60周年記念展。
第1部で主に館所蔵日本近代美術の秀作を概観。
第2部では戦後社会の変遷と現代アートをコラボ、重量感に押し潰されそう。


ベルリン国立博物館展とマウリッツハイス美術館展のレンブラント作品
フェルメールの真珠の耳飾りの少女、真珠の首飾りの少女が売りの展覧会でしたが、私は、レンブラントの秀作に感嘆した展覧会。
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マウリッツハイス美術館展
東京都美術館で6月30日~9月17日。
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ベルリン国立博物館展
国立西洋美術館で6月13日~9月17日


東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
東京国立博物館の平成館 で 2012年3月20日(火) ~2012年6月10日(日)。
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これだけの素晴らしい日本美術が海を渡ってしまったんだな〜
展示されていた保存状態のいい蕭白の一級品、戻ってこないかな〜

リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝展
国立新美術館で10月3日から12月23日。
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ルーベンスの大作とバロックルームは圧巻、全ての展示品が素晴らしいという展覧会。

具体 日本の前衛18年の軌跡
7月4日~9月10日まで国立新美術館で開催。
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当時のアーティストのこの勢い、今の時代見習いたい。
万博後間もなく解散していったという背景も印象的。


レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想
Bunkamura ザ・ミュージアムで3月31日~6月10日。
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モナリザをめぐる、あらゆる角度からの考察、冒険的ともいえる企画は楽しかった。


蕭白ショック!! 曽我蕭白と京の画家たち
千葉市立美術館で4月10日~5月20日。
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蕭白のの作品をこれだけまとめて見られた幸せ。
内容は期待以上とはいかなかったのですが…………。

草間彌生 永遠の永遠の永遠
埼玉県立近代美術館で4月14日~5月20日。
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今年は、この人彌生ちゃんの年でしたね。
今年最もメディアに最も登場したアーティストでもありますね。
尖っていた頃のクサマヤヨイもいいけど、今の個性は草間彌生の原点を見ているようでとてもいい。

シャルダン展 静寂の巨匠
三菱一号館美術館で2012年9月8日~2013年1月6日。
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伝統と、時代をこえて低通する美しいものへの共感。


維新の洋画家 川村清雄
江戸東京博物館で10月8日(月・祝)~12月2日(日)。
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この展覧会も合わせて
もうひとつの川村清雄展 ―加島虎吉と青木藤作 二つのコレクション
目黒区美術館で10月20日~12月16日。
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幕末から明治という歴史的転換期にこのような知られざる?画家がいたなんて、その作品のイメージと歴史的意味に興味津々でした。


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今年良い企画展を開催した美術館にも拍手

◎渋谷区立松濤美術館の一連の企画展

渋谷ユートピア 1900‐1945 原宿にも、恵比寿にも、代々木にも、画家は住んでいた。
2011年12月6日~2012年1月29日。
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「古道具、その行先」 坂田和實の40年展
10月3日〜11月25日
シャガールのタピスリー展 マルク・シャガールとイヴェット・コキール=プランス 二つの才能が織りなすシンフォニー
12月11日~2013年1月27日。

◎町田市立国際版画美術館の一連の企画展

開館25周年記念 「北斎と広重 きそいあう江戸の風景」展
10月6日~11月25日。
隆盛する戦後の欧米版画
8月4日~9月23日。
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浮世絵―国芳から芳年へ
3月3日~4月1日。
町田市立国際版画美術館開館25周年記念 版画の冒険―ミレー、ドガ、そしてムンクへ
4月14日から6月17日。

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印象に残った一枚の写真とその展覧会
長倉洋海写真展 子供たちの元気便―震災からの出発
3月4日~22日まで新宿のコニカミノルタプラザ、ギャラリ-A。
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その他「いろいろな意味で、見て良かった!!」と思った展覧会。
まだ他にもありそう!!

会田誠展「天才でごめんなさい」
森美術館で2012年11月17日〜2013年3月31日。

ルオー財団特別企画展 ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス展
パナソニック汐留ミュージアム10月6日~12月16日。

巨匠たちの英国水彩画展
Bunkamuraザ・ミュージアムで10月20日~12月9日。

辰野登惠子、柴田敏雄 与えられた形象
国立新美術館で、8月8日~10月22日。

国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展
Bunkamuraミュージアムで8月4日~10月8日

中国山水画の20世紀―中国美術館名品選
東京国立博物館  本館特別5室で7月31日~8月26日。

絵が歌い出すワンダーランド コドモノクニへようこそ
多摩美術大学美術館で6月30日~9月2日。

ドビュッシー音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで
ブリジストン美術館で7月14日から10月14日。

生誕100年 松本竣介展
神奈川県立近代美術館葉山館で6月9日から7月22日。

吉川霊華展 近代にうまれた線の探究者
国立近代美術館
 前期:6月12日(火)~7月8日(日)
 後期:7月10日(火)~7月29日(日)

山寺 後藤美術館蔵 ヨーロッパ絵画に観る 永遠の女性美
ニューオータニ美術館で3月17日~5月27日。

国立新美術館5周年 セザンヌ―パリとプロバンス
3月28日~6月11日。

宮沢賢治・詩と絵の宇宙 展
3月29日~4月22日までそごう美術館(そごう横浜店6階)で

ユベール・ロベール―時間の庭―
国立西洋美術館で3月6日~5月20日。

生誕100年 ジャクソン・ポロック展
2月10日(金)~5月6日(日)まで竹橋の東京国立近代美術館。

生誕125年 東と西の出会い バーナード・リーチ展
日本橋高島屋8階ホールで8月29日~9月10日。

ロバート・メイプルソープ FLOWERS 写真展
8月28日(火)~9月10日(月)西武渋谷店 A館7階 特設会場

ドキュメンタリー映画公開記念展 ちひろ 27歳の旅立ち
ちひろ美術館・東京で5月23日~8月26日。

大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年
は4月25日~7月16日まで国立新美術館

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2012.12.27

たくみのたくらみ  きせる・たばこ盆たばこ入れにみる職人の手技

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この展覧会は渋谷のたばこと塩の博物館で2012年11月17日~2013年1月14日まで開催されています。
松濤美術館の「シャガールとタピスリー展」と併せて行かれると良いかも、です。
ついでに、ヒカリエ8Fも………。
Bunkamuraまで欲張ってしまうと、1日では時間が足りないかもしれません。
年末年始は、開催日に注意です。


私の祖父は、きせる、父も愛煙家でしたが、私自身は10年前に禁煙に踏み切りました(宴会などでは喫煙してしまいますがあとは引きません)
まあ、私のことなどどうでもいいのですが・・・・。

受付で入場料100円を支払うと、15ページ保存版?の冊子が渡されます。
展覧会を見て、この冊子で復習すると、あなたも、きせる、たばこ博士になれるかも?ですよ。

彫金、金工、蒔絵、青貝細工、角細工の匠、時代背景と暮らし、興味がつきません、皆さん時間をかけて丹念に観ておられました。
桂文楽のコレクションも見ものです。

酒井抱一下絵、原羊遊斎蒔絵とされる「銀御殿形菊に蝶図きせる」何て言うのも展示されています。
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こちらのたばこ盆も、如何にもと言う感じで面白いですよ。


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吉原の扇屋の花魁・花扇が使ったと伝えられるたばこ盆

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徳川家の紋章のあるたばこ盆


展覧会の構成は以下の通りです。
●きせるで嗜む細刻み
●きせる、たばこ盆、たばこ入れにみる職人の手技
●素材の妙
番外編
●一服に必須の着火具
●たばこ入れコレクター・八代目桂文楽

HPの解説です

きせる・たばこ盆・たばこ入れにみる職人の手技
江戸時代初めから大正末まで、日本では細刻みたばこをきせるで嗜むのが主流でした。紙巻きたばこ(シガレット)とは違い、人々は、きせるの手入れをし、好みの銘柄の刻みたばこを手に入れ、火打石やマッチで火をつけ、手間ひまをかけて一服を楽しんでいました。
きせるでの一服には、刻みたばこや火付け道具など喫煙に必要な道具をまとめておくたばこ盆が、外出時に携帯するためにはたばこ入れが必要でした。これらの喫煙具は実用品であるばかりでなく、たばこ盆は調度品、たばこ入れは装身具として持ち主のこだわりを反映するものでもありました。このため、人々はこぞって珍しい素材や凝った細工の喫煙具をあつらえました。
緻密な彫りのきせる、絢爛豪華な蒔絵のたばこ盆、更紗や金唐革など舶来の素材を用いたたばこ入れ、手のひらサイズの着火具などには、日常で使うことを前提にしつつも、美を求める職人たちの手技の粋が詰め込まれています。
今回の企画では、職人芸ともいうべき細工の数々に着目し、便利なだけでも、美しいだけでもない、「用」と「美」を兼ね備えた喫煙具を通して手技の妙をご紹介します。


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2012.12.22

シャガールのタピスリー展 マルク・シャガールとイヴェット・コキール=プランス 二つの才能が織りなすシンフォニー

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この展覧会は渋谷区立松濤美術館で12月11日~2013年1月27日まで開催されています。

前回の企画展に続き、この美術館の空間にぴったりあったとても良い展覧会です。
シャガールの作品がタピスリーとして見事に仕上がっています。
新たな魅力がイヴェット・コキール=フランスによって織り込まれています。
タピスリーとリトグラフが一対で展示されていて比較してみることが出来て、その素晴らしさに驚嘆です。


タピスリーはあるひとつの自律的な創造によって、絵画とは別の力強さを主張するので、元になる作品とは同じものではないのですが、それらすべては多様で、もとになる作品を補うものになっているのです。
画家とまったき相互浸透のなかで自律的であることによって、織匠は画家と隔たりが生じるのを避け、もとになる作品の別の様相を発見させてくれるのです。お互いによく知っていることが重要ではあるのですが、それだけではなくて、ひとつの独創というものは、まったく新しい作品がそな備えているはずの、豊かで厳密な解釈によって正当化されなくてはならないのです。

展示されていた「ジャン=ルイ・ブラット氏(シャガール委員会代表)が本展に寄せたメッセージから一部引用です。


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マルク・シャガールとイヴェット・コキール=プランス


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《赤い雄鶏》 タピスリー 1991年 個人蔵

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《「雄鶏と恋人たち」のためのエスキース》 油彩、キャンバス 1950年 AOKIホールディングス蔵


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《「トゥルネル河岸」のためのエスキース》 油彩、キャンバス 1952-53年 AOKIホールディングス蔵


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《青と黄色の横顔》 タピスリー 1973年 個人蔵

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2012.12.21

小説 55歳からのハローライフ

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時々、拙ブログに本の紹介を載せていますが、専用のブログを立ち上げるほどの読書家でもないし、と言うことで今回も突然の展覧会記事への割り込みです。

路に迷った暗闇にポッ、と灯った誘導灯の様な、そんな小説だと思いました。
この類の小説は男と女では評価が分かれるかもしれませんね。

書店で平積みになっていて、村上龍も久しぶりなので買って読んでみました。
タイトルも気になったし。
中編5部で構成されています。
以下に、概要です。

●結婚相談所
54歳で離婚した中米志津子は、安アパートに住みながらスーパーでマネキンさんをして生計を立てている。別れた夫からは頻繁にメールが入るが、返事をしたことはない。寂しいという訳ではないが結婚相談所に入会し、面会を繰り返すのだが・・・・・。

●空を飛ぶ夢をもう一度
因藤茂雄は54歳で小さな出版社をリストラされた。あれから四年後、ホームレスに転落する恐怖感を持っている。60歳近い彼に求人はなく、妻のアルバイト収入に助けられていたが、妻も解雇。茂雄は交通整理のアルバイトを始める。そしてある郊外の街で仕事中に、中学で同級だった転校生に声をかけられる。その彼の過酷な運命と向き合うことになるのだが・・・・。

●キャンピングカー
富裕太郎は58歳で早期退職制度に応募して退職、それなりの資産もあり中型のキャンピングカーを買って妻と旅行するというプランを実行に移そうとしていた。そして妻に打ち明ける。すると妻は申し訳なさそうに、経済的な不安と、仲間との付き合いもあってそんな時間は取れそうもないと話す。息子と娘に相談すると娘には「まだ若いんだから働けば」と言われてしまう。コネを足がかりに職探しをするが現実は想像していたほど甘くはなかった。そんな時、茂雄の体に異変が・・・・。


●ペットロス
高巻淑子は子どもの手が離れた53歳の時に反対する夫を説得して犬を飼うことにした。
ボビーと言う名前にした。
夫は、定年退職して、一日中ブログ等で、パソコンに向き合っているばかりで会話もない。
外面だけは良い夫のたち振る舞いも好きではなかった。
雪のある日、淑子は公園でボビーと散歩中に愛犬サリーと散歩していたデザイナーのヨシダさんと出会う。ヨシダさんは妻を癌で亡くしていた。淑子はヨシダさんと二人で合い、会話することがとても楽しい。そんな中6歳になるボビーに重篤な病が見つかる。
そしてボビーをめぐる夫婦の心の動きが・・・・。

●トラベルヘルパー
下総源一は、トラックの運転手をして生きてきた。バブル景気が弾けるまでは高収入をいいことに、毎晩のようにスナック通い、女の出入りも激しく預金などしてこなかった。
20歳代で結婚もしたが8ヶ月で別れた。
63歳になって、安アパートに棲みコンビニ弁当と安酒という生活。
辞めた会社から回してもらう仕事も月数件、貯金残高も50万円まで減っていた。
楽しみと言えば駅近くの古本屋で買ってきた本を読むこと。今までは本なんか読んだこともなかったのに・・。

その古本屋で松本清張の本を探していると、素敵な女性が入って来た。
下総は、心臓をバクバクさせながら思いきって声をかけると、すると意外にも応じてくれた。
郊外の街には気の利いたレストランもない。
ファミレスでランチをとっての逢瀬を繰り返した。源一にとって思いがけない幸せの時間だった。
ある日、堀切彩子から告白される。
教員をしていたが、夫が先物取引に失敗、返済の一部を負担するために夜の仕事をいていると、そして「もう会えません」と・・・。
堀切彩子とその夫は、実は・・・。
そして傷心の源一は旅に出た港でトラベルヘルパーと言う仕事を知って・・・・。

この小説には象徴的に飲み物が登場します。
飲み物を飲むという行為は心の高まりを抑えてくれる効果がありますよね。
アールゲレー紅茶
拘りの飲料水
自ら淹れたコーヒー
プ―アール茶
狭山茶(新茶)

「普通の人々」「信頼」を意識して執筆したと村上さんは記しています。

何れの物語も身につまされて、思わず涙でした。

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2012.12.18

シャルダン展 静寂の巨匠

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この展覧会は丸の内の三菱一号館美術館で2012年9月8日~2013年1月6日まで開催されています。
始まって直ぐ行ってきた展覧会ですが、もう年明け早々に終了ですね。
チラシが変わったんですね、私が行った時点ではこのチラシでした。
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フェルメール同様、一時忘れられ再評価された画家だそうです。
作品のテーマは、時代そのものを反映しているのですが、時代を感じさせない?とても新鮮なイメージを持って鑑賞してきました、不思議な感覚です。
静物画における色彩の調和と光(空気)の柔らかさはとても心地よいものでした。
どこか人形のような女性の表現は時代を越えた不思議な魅力を持っています。

シャルダンの回顧展、今回を見逃すと今後見る機会はあまりないかもしれませんね。

時を越えて蘇る、18世紀のフェルメール
やさしい沈黙に、つつまれる。
静寂の巨匠
国王ルイ15世やエカテリーナ2世を魅了した、静かなる美。
(以上チラシのコピーから)

シャルダン(1699-1779)はパリの下町に生まれました。
父はビリヤード台を作る職人です。
1724年に職人画家の組合、聖ルカ・アカデミーに登録するまでは歴史画家ピエール・ジャック・カーズ(1676-1754)に師事後、装飾画家ノエル=ニコラ・コワペル(1690-1734)の制作助手をしたりしていました。

1728年に開催された青年画家展に出品した作品でが好評を博し、やがて《赤えい》と《食卓》によって、「動物と果実に卓越した画家」としてアカデミーに受け入れられます。

1731年に結婚し男の子と女の子に恵まれますが、その後、病弱だった妻と長女は亡くなってしまいます。
(後に再婚)

シャルダンは静物画の名手として知られ、また親密な雰囲気の風俗画も評価されましたが、いずれも格下のジャンルと見なされていました。
長男を格上とされる歴史画家に育てようと執心しますが、歴史画家としての適正にかけたとされ・・・、そして亡くしてしまいます(入水自殺したとも)

このような不幸があったものの、シャルダンは、アカデミーの会計官とサロンの展示係を兼任し、国王からルーヴル宮内の官舎に住むことを許され、画壇からも評価されますが、晩年にはアカデミー内での庇護者が失脚し、1774年には会計官とサロンの展示係を辞してしまいます。

眼疾を患ったため、新たにパステル画を試み、1779年のサロンに3点のパステル画を出品しますが、これを最後に、1779年12月6日に亡くなりました。
(HPの解説を参考にしています)

展覧会の構成は以下の通りです。

Ⅰ多難な門出と初期静物画

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死んだ野兎と獲物袋 1730年頃 油彩、カンヴァス ルーブル美術館

Ⅱ「台所・家事の用具」と初期の注文制作

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肉のない料理 1731年 油彩、銅板 ルーブル美術館


Ⅲ風俗画 ―日常生活の場面

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羽根を持つ少女 1737年 油彩、カンヴァス 個人蔵

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良き教育 1753年 油脂、カンヴァス 1753年頃 ヒューストン美術館

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セリネット(鳥風琴) 1751-53年(?) 油彩。カンヴァス フリック・コレクション


Ⅳ静物画への回帰

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カーネーションの花瓶 1754年頃 油彩、カンヴァス スコットランド美術館

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銀のゴブレットとりんご 1768年頃 油彩、カンヴァス ルーブル美術館

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桃の籠 1768年 油彩、カンヴァス ルーブル美術館

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木いちごの籠 1760年頃 油彩、カンヴァス 個人蔵

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2012.12.12

中国絵画 ー住友コレクションの白眉ー

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この展覧会は六本木一丁目の泉屋博古館で10月13日~12月16日まで開催されています。
開催中、展示変えがありました。

泉屋博古館分館開館十周年記念特別展締めくくりの展覧会です。東京では開館以来まとまた公開の機会のなかった中国絵画を一挙公開です。


中国憧憬、まさに嘗て、憧れの地であり模倣の対象でもありました。
日本画の世界のでも、歴史的に見ればつい最近までその影響は色濃く現れています。

トーハクの東洋館(1月リニューアル開館楽しみ)、その他の美術館等々で、度々中国絵画を見てきました。
その作品の素晴らしさに、本家本元という感を持ったことも否めません。
この展覧会も、少ない点数(約60点)ではありますが、かえって、その作品の、作家の個性が比較対照できて鑑賞後とても充実感がありました。

山水画、その広大な風景の中に小さく描かれた人物に誘われて自分自身を、入り込ませてみると・・・・・・。
「旅に出たい」と思わず口に出そうです。

水墨で描かれた樹木そこに咲く花の色彩、動物の愛らしさの妙は写実と写意の絶妙なバランスです。

静かな展示会場でゆっくり、じっくり楽しませてくれました。

展覧会の構成は以下の通りです。

Ⅰ明末清初 ―個性の結晶
 「明末四僧」と並び称された、八大山人、漸江、石涛、雪渓の作品、その描法個性が面白いですよ。

Ⅱ中国絵画周遊

Ⅲ山水画 ―理想郷への旅ー
 花鳥画 ―生命への賛歌ー 

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八大山人 《安晩貼》魚図 清康煕33年(1694) 展示期間終了

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漸江 《江山無尽図巻》(部分) 清・順治18年(1661年)

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石涛 《黄山八勝画冊》 白龍譚 清時代 展示期間終了

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石涛 《慮山観瀑図》 清時代

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沈銓 (沈南蘋) 《雪中遊兎図》 清・乾隆2年(1737) 

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国宝 伝閻次平 《秋野牧牛図》 南宋時代

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2012.12.10

ルオー財団特別企画展 ジョルジュ・ルオー アイ・ラブ・サーカス展

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この展覧会はパナソニック汐留ミュージアムで10月6日~12月16日まで開催されています。

サーカスをテーマにした作品は、ルオーが描いた絵画作品全体の3分の1を閉めるとも言われます。
サーカスをテーマにした作品の描きはじめから晩年の作品まで展示することによって、ルオー自身の人生、心のありようの変遷がよく分かる、そんな展示構成になっています。

周囲から散々な評価をうけたとされる初期の作品に描かれた人物は、自分を取り巻く社会への苛立ち、そして苦悩する自分自身の共感者なのかもしれません。
子供のころに垣間見た旅芸人の記憶とダブらせて・・・・・。

やがて、名声を得たルオーはサーカスのボックス席の常連となりサーカスをテーマにした作品を多産します。
晩年のレリーフのようなマチエール、そして配色の見事さはすばらしい、やはりこの時期の作品は見ていてほっとします。
印刷物では絶対に味わえない魅力ですよね。

3点並べられた、タペストリー用に描かれた大作《傷ついた道化師》《小さな家族》《踊り子》はこの展覧会の白眉かもしれません。

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小さな家族 1932年 油彩

その他、ピエロを主人公にしたビデオ、名門劇場のビデオの放映もあって往時を偲び、二重に楽しめる企画展になっています。

この美術館で開催された過去のルオーの企画展の中でも、一番良いのでは、と私は思いました。

「私たちはみな、程度の差こそあれ道化師なのです」 ―ジュルジュ・ルオー

ビデオに登場するサーカス劇場のオーナーが言ってました。
「サーカスは、お祭りなんです。目をあけたまま見る夢なんです。」


展覧会の構成は以下の通りです。
第1幕 悲哀 -旅まわりのサーカス 1902-1910年代
第2幕 喝采 -舞台を一巡り 1929-1930年代
第3幕 記憶 -光の道化師
●パリのサーカス
●バル・タラバン


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曲馬団の娘 1905年頃 油彩・グワッシュ・パステル


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タバランにて(シャユ踊り) 1905年頃 油彩・パステル

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小さな曲馬師 1925年頃 油彩

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「自分の顔をつくらぬ者があろうか?」(『ミセーレ』第8図に基ずく類作) 制作年不詳 油彩


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貴族的なピエロ 1941-1942年 油彩


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青いピエロたち 1943年頃 油彩

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2012.12.07

巨匠たちの英国水彩画展

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この展覧会はBunkamuraザ・ミュージアムで10月20日~12月9日まで開催されています。

マンチェスター大学ウィットワース美術館蔵から150点の展示です。
前半は水彩画の成り立ち変遷を辿ります、そして英国の画家と言えばこの人ターナーのコーナー、続いてジャンル、時代の括りでの展示と続きます。
展覧会では、とかく、大画面、重層、重厚な油彩画に目を奪われがちですが、この展覧会では水彩画の魅力を再発見させてくれます。

特にターナーの描く風景の中の光の筋、茫洋と浮かぶ景色のその空気感は心を和ませてくれます。
チラシに使われている作品《ルツェルン湖の月明かり、彼方にリギ山を望む》は白眉です。
展示作品目録には、その他の作家の作品にも丸印を沢山つけてきました。

水彩画は、大幅な手直しが効かないある意味一発勝負ですよね。

展覧会の構成は、次の通りです。
第1章 ピクチャレスクな英国

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第2章 旅行:イタリアへのグランド・ツアー

第3章 旅行:グランドツアーを越えて、そして東欧へ

第4章 ターナー
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J.M.W.ターナー《旧ウェルシュ橋、シュロップシャー州シュルーズベリー》

第5章 幻想
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第6章 ラファエル前派の画家とラファエル前派主義

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第7章 ヴィクトリア朝時代の水彩画

第8章 自然

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2012.12.04

気ままにアートめぐり ―印象派、エコール・ド・パリと20世紀美術

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この展覧会は、ブリジストン美術館で10月26日~12月24日まで開催されています。


2日に開催されたイベント、ブロガー、ツイッター、フェイスブック利用者の為の「ブリジストン美術館ナイト」に参加してきました。

あまり遅い時間までいられないので、イベント開始前の16時頃に入館して一通り展示を見てから、イベントに参加しました。
懇親会にもお邪魔したかったのですがトークイベント終了後、内覧会にチョット参加して帰路につきました。
外に出ると雨が降り出し、地下鉄は、事故で動いていない・・・・なんというか。


当日の式次第は次の通りでした。
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第一部の学芸員対談は、女性学芸員お二人が、それぞれの所属美術館の成り立ち、歴史、最近の企画展の紹介を中心にお話をされました。
建築構造上から受ける展示品の制約などのお話は興味深いものでした。
何かと話題になった「三菱一号館の靴音の問題」
これは「床材の問題ではなく天井即床、その厚さが薄いのが原因」というお話に聴衆全員が「ほー」です。
勿論、お二人とも次の企画展の宣伝も忘れずにされていました。
お互いの美術館にどのようにしていく?何て言うお友達トークもあって、とても和んだ雰囲気のいい対談でした。

第二部は、「青い日記帳」Takさん、はろるどさん、6次元 中村邦夫さんによる対談です。
6次元 中村邦夫さんのプリントとその解説に皆さん感心することしきり、楽しみ方のバリエーションを提示して頂きました。

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ブリジストン美術館を10倍楽しむ法
人間関係で読み解く近代絵画<西洋編><日本編>
アンフォルメルをオリエンタリ
ズムで読み解く!

ブリジストン美術館の彫刻作品を例にして、古代から近代までのフォルム変遷のお話は、とかく忘れがちなブリジストン美術館の立体作品の鑑賞視点を提示してくれました。

続いてTakさん、はろるどさんは、所蔵品から2点を選んでの解説でした。

Takさん。

サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワールがこのような形で共に描かれている作品は世界的に観ても類例がないとの事。めったに貸し出されない作品でもあるそうです、お宝なんですね。
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ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》 1904-06年頃

コローの「イタリアの女」にまつわるお話もされました。

最後にハロルドさん。
時間が押してきて、短時間でしたが・・・・・。

カイユボット  《ピアノを弾く若い男》について・・・・。
ドビュッシーとの関係を解説されてました、ピアノに置かれた楽譜にそのつながりが垣間見れるとのお話。
また、カイユボットは一生豊かな生活をした人で、描かれたピアノは当時有名なメーカーのピアノで大変高価だったそうです。

ザオ・ウーキーについても簡単にお話しされました。

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ギュスターヴ・カイユボット  《ピアノを弾く若い男》 1876年

以下は、当日撮影を許された3室の様子です。

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第1室 第1章 印象派の誕生

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第4室 第1章 印象派の誕生

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学芸員さんによるミニレクチャー(第4室)

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第5室 第2章 印象派を乗り越えて
正面にセザンヌの作品が3展並べられています。

以上、展覧会の様子と言うよりイベントの話になってしまいましたが、所蔵品だけでこれだけの展覧会を開催できるのは流石ブリジストン美術館ですね。

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 印象派の誕生
第 2 章 印象主義を乗り越えて
第 3 章 20 世紀美術の広がりI─フォーヴィスムの画家たち
第 4 章 日本の近代洋画I─明治から大正へ
     日本の近代洋画II─大正・昭和期
第 5 章 エコール・ド・パリの時代
第 6 章 20 世紀美術の広がりII─キュビスム、シュルレアリスム
第 7 章 戦後の抽象芸術

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