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2005.12.04

ドイツ写真の現在(東京国立近代美術館)

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土曜の午後、近美に行ってきました。ドイツ写真の現在を観るためです。
つくづく「写真表現とは何か」と考えてしまいました。

10人の作家が参加しています。
以下は、近美のHPからの引用・要約と私の感想です。

ベルント&ヒラベッヒャー
産業建築物を均質な曇り日の光線のもとで細部まで精密に撮影した写真を、機能や構造に従い「類型学(タイポロジー)」的に組み合わせた作品。
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----写真を、きちんと撮るということは、このようなことなのかと思いました。感性の赴くままにという写真もありかもしれませんが、基本的な技術かきちんと、おさえておくことは必要と実感しました。-----


ミヒャエル・シュミット
ベルリンの壁崩壊と東西統一をはさんだ時期のベルリンを、新聞写真など既成イメージを盛り込んで重層的に描出した写真集『統・一』から作家自身が選んだ83点を中心に展示。
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----発想がユニークでよいと思うのですが、矢張り社会的背景が理解できていないと分からないかもしれません。私はその一人でした。-----


アンドレアス・グルスキー
資本主義社会の様態を象徴的にあらわす場所を、デジタル加工を取り入れた手法により、パノラミックで巨大な作品へと展開する。
----この作家の作品は、見せる写真としてとても素晴らしいと思いました。
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---この写真がとてもよくて、欲しいなと思ったのですが、このサイズだと、良さが分かりません、実際の作品は
畳1枚程あって臨場感があり魅力的です。----


トーマス・デマンド
建物や室内などの実物大の模型を紙で製作し、撮影するという独自の手法で作品を制作し始める。模型のモデルとなっているのは、新聞や雑誌に掲載された、しばしばドイツ戦後社会において重要な意味を持つ歴史的事件の現場の写真である。
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----芸術家(写真家)は実にいろいろな発想で仕事をするのだなと感心してしまいました。------

ヴォルフガング・ティルマンス
日常をとりまく事物のスナップショットから光と色彩による抽象的な写真まで、さまざまなイメージを等価にあつかいながら、コマーシャル/アートといった既存の枠組みにとらわれない活動を展開している。
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---日本でも人気のある作家のようですが、展示されている写真の範囲ではあまり感心しませんでした。---


ハンス=クリスティアン・シンク 
2004年に発表した写真集『トラフィック・プロジェクト』は、再統一後の旧東独地域の社会基盤整備として1991年に着手されたドイツ政府主導の事業「ドイツ統一交通網計画」をめぐるもので、道路や橋、鉄道などの巨大建造物を静謐な描写によってとらえ、脚光をあびた。そこで彼は、再統一がもたらした風景の変容を通じて、社会の根源的な変化を照射している。
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---寂寥感を感じる作品、作家の意図が鮮明に表現されている作品---

ハイディ・シュペッカー
戦後のベルリンに建てられた無機質な建築が、デジタル加工によって抽象度の高いイメージに変容しながら、素材感や色彩によって、逆説的にある種の感傷や郷愁を喚起させている。
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----展示点数が少なく、インパクトなし-----


ロレッタ・ルックス
スタジオで長時間かけて撮影された子供たちの写真と、風景や室内などさまざまな背景の写真とをデジタル加工によって合成した一連の作品
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----このような写真は、好きな人と、「どうもあんまり」という人に分かれるのではないでしょうか。私は後者の部類です。


べアテ・グーチョウ 
デジタル加工によって合成された田園風景写真のシリーズで評価を得る。ヨーロッパの風景画、とりわけ19世紀イギリスの画家コンスタブルらの画風を踏襲しつつ、20~30点もの写真を素材に合成し、大サイズに引き伸ばした作品は、観る者にたいして、西洋社会における自然観や、リアリティとフィクションの境界など、重層的な問いを発する。
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---うまく合成されていて違和感はありません、絵画の世界と写真の世界の中間的な魅力があります。-----


リカルダ・ロッガン
廃墟となった建物から机や椅子、ベッドなどの家具を持ち出し、スタジオに運んでもともとそれらが置かれていた室内の配置を再現して撮影する一連の作品で評価を得る。
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----点数が少なくて、意図が理解できなかった。もう少しまとまった展示がほしかった。---

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コメント

うしろの正面さん、コメントを頂き有難うございます。
松涛美術館の展示会鑑賞から帰宅し、雑感ノートを開いて、コメントを頂いているのに気がつきました。うしろの正面さんは松涛美術館の建物を撮影したいと思ったのがきっかけで写真を撮り始めたようですね。奇遇ですね。
私も常時カメラを持ち歩いていて、美術館の地下二階から見上げた写真を撮ろうと計画していたのですが。時間が無くて実現しませんでした。
貴blogの写真は素晴らしいですね。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: mako(雑感ノート) | 2005.12.11 05:58

はじめまして。
どこか展覧会の鑑賞をしていらっしゃる方はいないかな~、と探して辿りつきました。
時々覗いて参考にさせていただいておりました。
おさえの効いた文で淡々とした鑑賞の記録、とても素敵だと思っています。
もうひとつ、魅かれたのは「私の本」に「落日燃ゆ」をあげていらっしゃることです。
私も東京裁判と戦犯に少し興味があり、この本はいつか読もうと思っておりましたので。
こちらに伺うと、色々な事を教えていただけそうです。また、来ます。

投稿: うしろの正面 | 2005.12.10 12:52

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